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集団ヒステリーが冤罪を作り上げてしまう 映画「デビルズ・ノット」 アトム・エゴヤン監督に聞く

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集団ヒステリーが冤罪を作り上げてしまう 映画「デビルズ・ノット」 アトム・エゴヤン監督に聞く

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映画「デビルズ・ノット」(アトム・エゴヤン監督)。11月14日公開(アニープラネット提供)。(C)2013_DEVILS_KNOT_LLC.ALL_RIGHTS_RESERVED.  1993年、米アーカンソー州ウェスト・メンフィスで、児童たちを狙った猟奇殺人事件が発生し、小さな田舎町の住民たちはパニックに陥った。ほどなく地元警察は16~18歳の少年3人を犯人と断定し、逮捕するが、私立探偵のロン・ラックス(コリン・ファース)は事件の結末が腑(ふ)に落ちない。

 「史上最悪の冤罪(えんざい)事件」とも言われる未解決の「ウェスト・メンフィス3事件」を題材に、エジプト出身のアトム・エゴヤン監督(54)が新作「デビルズ・ノット」を手がけ、関係者の視点をベースに事件の全体像を再構築した。

 SANKEI EXPRESSのメールインタビューでエゴヤン監督は、事件後、20年もたってから映画化を試みた理由について、「真相究明へとつなげるため、まだ誰も探っていなかった可能性や方向性がどれほど残されているのかを提示したかった」と説明した。

 本作では集団ヒステリーが架空の事実を作り上げてしまう恐ろしさも訴えた。エゴヤン監督は「集団ヒステリーに対する聖域が裁判所であるべきなのに、機能していません。同じ判事がずっと公判を担当してきました。すべてのことが、まるでフランツ・カフカの小説のように不条理なものでした」と、冤罪を生んだ問題の根幹を指摘した。

 野放しになっている真犯人も、どこかで本作を見ているかもしれないが、エゴヤン監督は「犯人は感情が欠如した人物だから、映画が何らかの影響を与えられるかどうか分かりません」と語った。11月14日から全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS

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