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セクハラやじの鈴木都議側、不自然な資金操作 数百万円寄付→数日で支出

ニュースカテゴリ:社会の事件・不祥事

セクハラやじの鈴木都議側、不自然な資金操作 数百万円寄付→数日で支出

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鈴木章浩都議  女性議員へのセクハラやじ問題で東京都議会自民党の会派を引責離脱した鈴木章浩都議(51)が、毎年12月28~30日に約750~約305万円を自ら代表を務める政党支部に寄付し、その資金が大みそかまでの2~4日で使い果たされる不自然な資金操作が行われていたことが30日、政治資金収支報告書の記載で分かった。また、平成24年分の収支報告書では「組織活動費」名目で支出された約1700万円全額が、支払先の記載義務がない1件5万円未満の支出となっており、識者からは疑問の声が上がっている。

 収支報告書によると、鈴木都議が代表を務める自民党東京都大田区第二十一支部では、24年12月28日に都議自身が約750万円を寄付。23年12月30日には約325万円、22年12月30日には約305万円を寄付しているが、いずれの年も翌年への繰越金はなく、大みそかまでの2~4日で全額を支出した形になっている。

 同支部は都議の自宅住所が事務所となっているにもかかわらず、家賃などの事務所費や人件費を計上。「組織活動費」名目で支出された資金は、全額が収支報告書に支払先の記載義務がない1件5万円未満のものとなっている。

 24年は約1700万円、23年は約895万円、22年は約550万円で、政治資金オンブズマン共同代表で神戸学院大法科大学院教授(憲法学)の上脇博之氏は「年間で1700万円に上る支出が全て1件5万円未満というのは不自然だ」と疑問視する。収支報告書に事実と異なる記載を行うのは政治資金規正法の虚偽記載罪に当たる恐れもある。

 上脇教授は「自宅を事務所所在地にしながら事務所費を計上したり、12月30日に受けた多額の寄付を翌日までに使い切った上に使途があいまいだったり、疑問点だらけの収支報告書だ。それぞれの疑問点について、会計帳簿を示して説明責任を果たすべきだろう」と批判している。

 鈴木章浩都議の話「収支報告書の記載が適正かどうか、担当者に確認させているが、訂正する必要があれば、訂正する」

【用語解説】政治資金収支報告書の虚偽記載罪

 政治資金規正法の第25条は、政治資金収支報告書に事実と異なる記載をすることを禁じており、故意または重大な過失により虚偽記載を行った場合は、5年以下の禁錮か100万円以下の罰金が科せられる。

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