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植物肉拡販へ味の素と資本提携、熊本のベンチャーDAIZ 兼松とも

 植物肉ベンチャーのDAIZ(ダイズ、熊本市中央区)は14日、食品大手の味の素と資本業務提携したと発表した。DAIZは総合商社の兼松、同子会社の兼松食品(東京都中央区)とも資本業務提携しており、大手企業の経営資源を活用し、植物肉の開発、製造、販売体制を強化する。味の素、兼松ともに出資額は非公表。

 味の素はアミノ酸を活用したうまみ調味料の開発ノウハウを生かし、食材の質感向上につながるさまざまな開発に取り組んでいる。DAIZは味の素のノウハウを生かし、植物肉の舌触りの改良、さらに新たな植物肉原料の開発にも共同で取り組む。

 兼松グループは食品大豆事業に強みを持つ。その調達力を生かし、植物肉の原料となる大豆の確保を円滑にするとともに、最終製品の販路拡大を図る。

 ダイズの植物肉「ミラクルミート」は原料に発芽した丸大豆を使用。独自開発の発芽技術により、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれる。また独自の成形技術により、肉と遜色のない弾力や舌触りを再現させた。九州・沖縄を中心に、ミラクルミートを食材として採用する外食チェーンやホテルなどが増えている。

 一般的な植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆が使われるが、大豆特有の臭みが強いなどの課題があった。

 国連の推計によると、2050年までに地球上の人口が約100億人に達するとされ、30年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」の時代が到来すると指摘されている。植物肉はそうした課題の解決に役立ちそうだ。

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