折り曲げられる液晶ディスプレー ジャパンディスプレイが開発、18年に量産へ
更新中小液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は25日、スマートフォン向けの5・5型シート状液晶ディスプレー「フルアクティブ・フレックス」を開発した。プラスチックを基板に採用し、折り曲げられるため、デザインの自由度を拡大できる。
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先行開発しているシート状有機ELディスプレーとともに2018年から量産化を目指す。ノートパソコンや車載用曲面ディスプレーなどへの応用も検討する。
フルアクティブ・フレックスは、この日行われた技術展で公開された。熱に強く、光を通しやすいフィルム基板を採用し、ガラスとは違って落としても割れることはない。15ヘルツの低周波でも駆動するため、消費電力も低減できる。有機ELを使う場合と比べ製造コストは半減できるという。
技術展では、仮想現実(VR)を視覚体験できるヘッドマウントディスプレーに搭載する液晶パネル技術も披露。映像を高精細にし、装着した人間の動きに敏感に対応できるようにした。17年度中の量産化を目指す。
このほか、フルハイビジョンの16倍の解像度を持つ放送局用8Kディスプレー、車の後方を鮮やかな映像で確認でき、安全運転をサポートする車載電子ルームミラーなども並んだ。
JDIは17年度上期に、ソニーとパナソニックの有機EL開発機能を統合した「JOLED(ジェイオーレッド)」を子会社化する計画。テレビやデジタルサイネージ(電子看板)など向けの大型パネルの分野へも事業領域を広げる方針だ。