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「会話ロボット」広がる市場 介護施設など導入、人手不足追い風

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「会話ロボット」広がる市場 介護施設など導入、人手不足追い風

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 人手不足が日本経済の懸念材料となる中、介護などの現場で人とコミュニケーションをするロボットの活用が広がっている。これまでロボットは工場の組み立て作業を行う産業用が主流だったが、人工知能(AI)などの技術開発が後押しし、サービス用のロボットが増えている。国内のロボット市場全体の規模は2035年に6倍になるとの予測もあり、異業種も含めた開発が加速している。

 6月下旬、横浜市泉区の日帰り介護サービスセンター「ツクイ横浜中田」。富士ソフトの人型ロボット「パルロ」がソーラン節を歌ったり、落語も披露するなどして、その場にいた高齢者17人を楽しませた。最初は表情が硬かったものの、パルロが愛嬌(あいきょう)のある声で話すたびに自然と笑いが広がった。83歳の女性は「慣れると次第に親しみがわいてきた」と笑顔で語る。

 介護サービスを展開するツクイでは、高齢者との新たなコミュニケーションをロボットが生み出す可能性があると考え、昨年から試験的に導入した。背景には、高齢者の介護施設で行うレクリエーションが現場職員の負担となっていることがある。

 新たな出し物を毎日提供できるパルロへの関心は高く、富士ソフトロボット事業部の上竹淳二課長は「今年は問い合わせが前年の5倍以上ある」と話す。

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