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携帯大手3社、毎月の契約数発表中止を検討 過当競争をあおると判断
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携帯電話の累計契約数 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯大手3社が毎月発表していた携帯電話契約数を取りやめ、四半期ごとの発表に変更する方向で検討していることが31日、分かった。週内にも3社で協議し、4月分から四半期ごとに改める見通しだ。毎月集計する純増数(新規契約数から解約数を引いた数字)や番号持ち運び制度(MNP)による利用者の転入出数の公表が過当競争をあおり、市場の実態を表していないと判断した。
携帯電話事業者は毎月、携帯電話契約数を集計して情報開示しているほか、電気通信事業者協会が各社の契約数を集計し市場規模を発表している。1996年1月から始まったが、イー・アクセスが四半期ごとの発表に変更した2011年12月以降は大手3社だけが発表していた。
大手3社は4月初旬に発表する3月末の契約数を最後に、毎月の契約数発表をやめる。4月以降は携帯4社がそろって四半期ごとの発表になる見通しだ。総務省は「四半期ごとの情報開示は各社に要請しているが、毎月の開示は自主的な判断」(総合通信基盤局)としており、容認する姿勢だ。
携帯電話契約数が人口を上回り成熟市場となるなか、携帯大手3社の月ごとの純増数やMNP利用による事業者間の転入・転出数の変化は優勝劣敗を象徴。月ごとのデータ変動は新聞やテレビなどでも大きく取り上げられている。
MNPによる転入数が2月末で29カ月連続首位のKDDIは「(他社から乗り換える)MNPは2倍効くから最も重要だ」(田中孝司KDDI社長)と強調。春商戦では3社が多額のキャッシュバック(現金返還)攻勢でMNP争奪戦を繰り広げるなど、乗り換え契約者偏重の販売費投入が問題視されていた。
ネットワークを借りサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)の契約数や、携帯契約時に無償提供されるフォトフレームなども純増に加算され、市場の実態が分かりにくくなっている点も指摘されている。