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ホンダが「高級車専門店」新設 販売強化へ過去最大1000億円投資
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ホンダが、セダンなど高級車を中心にした新たな販売店網を来年にも新設することが31日、わかった。すでに展開している軽自動車や小型車専門の販売店に加え、高級車専門店を設けることで、店舗間のすみ分けを明確にし、販売拡大を図るのが狙い。
ホンダは小型車専門店の拡充などもあわせ、総額約1000億円を投じて国内販売網を整備する。過去最大規模の投資を図り国内販売の競争力を強化する。
新たに設立する高級車専門店では、31日に発表し6月21日に発売する新型セダン「アコード」を取り扱う。新型アコードはハイブリッド車(HV)だけで、燃費性能はガソリン1リットル当たり30キロを達成。先行するトヨタ自動車のHVセダン「カムリ」(燃費1リットル当たり23.4キロ)を約3割上回る。
この「アコード」に加え、来年にも発売する高級セダン「レジェンド」も取り扱う見通しだ。ホンダは、2006年に「プリモ」「クリオ」「ベルノ」の3系列の販売店を統合し、1つの店舗で全車種を取り扱ってきた。しかし、画一的な店舗となり、特に都心部などでは高級車の販売で苦戦を強いられてきた。
高級車専門店は、軽自動車、小型車も取り扱うが、店頭での展示や試乗は、ミニバンも含めた中高価格帯の車種に絞る。開発中の高級スポーツカー「NSX」の販売も視野に入れているとみられる。
現在、ホンダの国内販売は、軽自動車「N BOX」などの売れ行きが好調で、軽、小型車の販売が全体の約8割を占めている。
今後、軽自動車、小型車以外の新型車の発売が数多く控えるため、得意分野にそれぞれ特化した販売店網の整備に乗り出すことにした。
合わせて、販売が好調な軽、小型車の販売に特化した専門店「スモールストア」を約250から今年度中にも約300まで増やし、主要来店客の女性、高齢者の取り込みをさらに強化する。
こうした専門店化の一方で、店舗の大型化も進める。都市部などは週末に来店客が集中するが、店舗が狭く、駐車場がすぐに満車となるケースもあり、来店客の取りこぼしにつながっている。用地の手当てなどがつき次第、順次、拡大していく方針だ。(飯田耕司)