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iPhone5“台風の目” スマホ勢力図、LTE優劣で激変か
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日本メディア向けの「招待状」。米向けは「12」の数字の影が「5」になる遊び心だが、日本の発表会は翌日のため、「13」になっている 米アップルの新型スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」が、いよいよ12日(現地時間)、姿を現す。日本での発表は13日午前10時ごろ、発売は10月からの見通しだ。
2年3カ月ぶりの人気スマホの新機種登場は、高速データ通信規格「LTE」の普及を後押しする。アイフォーンを国内販売しているソフトバンクモバイルとKDDIにとっては追い風になる期待が強い一方で、国内シェア首位の座を守るNTTドコモの対抗策にも注目が集まっている。
ソフトバンクとKDDIの2社は、アイフォーン5の投入による「新規需要も買い替え需要も大きい」(KDDI幹部)と期待を寄せる。契約数の純増(新規契約数から解約数を引いた数字)で首位が常連のソフトバンクと、アイフォーン販売以来10カ月連続で番号持ち運び制度(MNP)の利用者が首位のKDDIは新型アイフォーン投入を機に新たな販促キャンペーンを展開するのは必至だ。
一方、NTTドコモはアイフォーン5人気のあおりをもろに受けそうだ。純増、MNPとも両社に水を開けられており、富士通製や韓国サムスン製などアンドロイド搭載端末の充実を急ぐが、国内シェア(46%強)の減少ペースを早めかねない。
国内スマホ市場の勢力図に大きな影響を及ぼすのがアイフォーン5に搭載するとされる「LTE」だ。国内ではドコモとイー・アクセスがLTEサービスを提供しているが、ソフトバンクとKDDIも10月から始める。
特にKDDIはアイフォーン5発売を機に一挙にLTEサービスを本格展開する考えで、先行するドコモを追撃する。これに対して、ドコモはアイフォーン5発売時期に合わせて最大毎秒112.5メガビットの超高速サービスを提供。KDDIやソフトバンクに対抗する。
LTEサービスは動画や音楽など膨大なデータをスマホでやり取りするには欠かせない機能。サービスの優劣によっては、シェアの逆転劇を起こす起爆剤になる可能性がある。