海外情勢

フィリピン 奇観チョコの丘、旅行者魅了

 地平線の向こうまで、おわんをひっくり返したような形の小高い丘が連なる。フィリピン中部ボホール島カーメン一帯には「チョコレートヒルズ」という、おいしそうな愛称が付けられている。巨人がけんかして、でこぼこになったとの伝説もあり、奇観は多くの旅行者を魅了している。

 丘は高さ約30~50メートル。現地の観光局によると、乾期の終わりの4~6月になると、丘を覆う草が暑さで枯れて緑色から茶色に変わる。この外観がチョコレートの菓子のようだというのが命名の理由という。

 地元の運転手、シドニー・ビラセランさんは「祖母から聞いた話」として、2人の巨人が大昔、けんかした際に投げ合った岩が丘になったとの言い伝えがあると教えてくれた。巨人の男性が愛した人間の女性が命を落とし、悲嘆して流した涙の結晶との説もあるという。

 環境天然資源省によると、ボホール島の大部分は200万年前、海底にあった。サンゴ礁によってできた石灰岩が隆起し、風雨にさらされて現在の丘の形になったともいわれるが、はっきりしたことは謎のまま。丘の数はカーメンを中心に1200以上ある。

 丘が雲にかげって黒く見えるときにもチョコレートらしさがうかがえる。緑色が映える時期には抹茶の菓子に見えなくもないし、丸い見た目も相まって枝豆を使った仙台名物「ずんだ餅」も、ほうふつとさせる。(カーメン 共同)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus