国内

「自宅でゲーム三昧」「中高生がたむろ」休校中の過ごし方に課題

 新型コロナウイルスの感染防止策として、埼玉県内の多くの小中高校でも2日、臨時休校が始まり、保護者や児童、生徒らは戸惑いを見せながら突然の“春休み”に臨んだ。家庭や地域での子供たちの過ごし方も、新たな課題として突きつけられている。

 さいたま市浦和区の市立常盤小学校では、全校児童945人のうち親の仕事などの都合で休むことができない72人だけが登校し、漢字ドリルなどの自習や読書をして過ごした。

 感染拡大防止のため、児童たちは約10人のグループごとに教室や図書館に分かれ、窓を開けて換気したり小まめに手洗いやうがいをしたりしながら自習に臨んだ。

 普段は子供たちの声が響き渡る校内は終日、奇妙な静寂に包まれたまま。2年生の女子児童(8)は「いきなり休校になってびっくりした。友達が少なくてつまらない」と肩を落とした。

 保護者の間にも困惑が広がる。

 3年生の男子児童(9)を学校に預けた40代の母親は「休校中は給食がないので弁当を作らねばならず、子供の送りも通勤時間と重なってしまう。預かってもらえるのはありがたいが、それでも親の負担は大きい」。別の母親も「休校要請の意図は分かるが、準備期間が短い。もっと早く知らせてくれれば、職場にも休みを申請できたのに」と話す。

 登校していない大多数の子供たちの過ごし方も課題になりつつある。

 さいたま市内の市立小学校児童の母親は「子供が自宅でゲーム三昧になっている」。同市内の小学校教諭も「中高の学生がファストフード店にたむろしているのを目撃した」と証言する。県教育局の担当者は「休校はあくまで感染拡大の予防が目的なのだが…」と戸惑いを隠せない。

 一方、共働き世帯への配慮から開所を継続している放課後児童クラブ(学童保育)は、開所時間を拡大するなどして受け入れ態勢を強化している。

 上尾市内の学童クラブを運営する「あげお学童クラブの会」は、職員の出勤時間を2時間早め、開所の時刻も前倒しした。ただ、普段と異なる勤務シフトにしたため、各学童クラブは通常の半分の人員で運営に臨んでいるという。担当者は「どこも綱渡りに近い状況だ」と窮状を明かした。(竹之内秀介)

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