フィリピンで、食品大手と建材大手が協力した環境汚染防止活動が行われる。ネスレ・フィリピンとフィリピン建材大手のリパブリック・セメントはこのほど、河川や海洋に漂う廃棄プラスチックをセメント窯で共同処理する覚書に調印した。経済紙ビジネスワールドが伝えている。両者は、今回の覚書調印は環境問題への共同計画における土台となるものだとしている。計画は現在の一般的な回収・リサイクルとは異なる方法で、大量の廃棄プラスチックを収集し、共同処理して燃料として使用する。
ネスレ・フィリピンのカイス・マルズキ会長兼最高経営責任者(CEO)は「ネスレはプラスチック問題の解消を目指しており、その目標は生産と同等のプラスチックを回収することだ。埋め立て地や海にある多くの廃棄物を有用な目的に使用していく」と述べた。
食品世界最大手のネスレは2018年4月、25年までに自社製品のパッケージを100%リサイクル可能にする公約を発表している。
リパブリック・セメントはフィリピンの電力会社、アボイティズ・パワーコーポレーションなどを持つアボイティズ・グループ傘下のセメント・建材企業で、セメント製造は60年の歴史がある。(シンガポール支局)