経済同友会の小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)は16日、今月26日の退任前で最後となる定例記者会見を開き、「世界がデジタル技術やバイオなどで変革する中で、日本だけが中国やアジア、アフリカにも後れをとるようでは話にならない」と述べ、ぬるま湯に浸ったまま動けなくなる「ゆでガエル」に例えて危機感を表明した。
ワシントンで始まった新たな日米貿易交渉については日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の合意内容が最後のとりでで、「包括的に交渉をやってもらいたい」と述べ、農業や個別項目を取り出すのではなく、TPP合意の範囲内での交渉を求めた。
また、技術優位をめぐる米中摩擦は「今後きわめて長い冷戦が続くだけに、日本の立ち位置をにらみながら交渉にのぞんでほしい」と注文をつけた。