2025年大阪・関西万博の会場建設費の民間負担分について、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は15日の定例会見で、大阪商工会議所や関西経済同友会と新組織「万国博覧会募金促進委員会」を設立すると発表した。5月に初会合を開催する。
大阪万博では約1250億円と試算される会場建設費を国、地元自治体(大阪府、大阪市)、民間で3分の1ずつ負担。民間で約400億円をまかなうことになっている。
新組織は、松本氏や大商の尾崎裕(ひろし)会頭(大阪ガス会長)ら3団体のトップが代表に就任。住友電工、大ガス、りそな銀行、関西電力、近鉄グループホールディングスなどが幹事になる見通し。今後、経済団体同士で寄付依頼の重複をなくすなどの実務的な作業を進め、企業ごとの負担額のリストアップを急ぐ。
関経連は、各企業から規模や業績に応じて寄付を募る「奉加帳方式」を軸にする方針で、松本氏は「できるだけ早い時期に具体的な依頼額を提示したい」と述べた。
ただし、「寄付」については株主に利益を説明しにくい面があるため難色を示す企業も多く、松本氏は「景気が後退してからではもっと難しくなる」と懸念。建設資材や人件費の変動によっては、会場建設費が増える可能性もある。
そのため、資金力のある東京企業の負担は不可欠だが、来年の東京五輪・パラリンピックの資金負担も抱える経団連の動きは鈍い。松本氏は「まず関西でできるだけ集める。そのうえで経団連の意見も聞いてまとめていきたい」と述べるにとどめた。