10連休前後の東京市場どうなる? 日米通商交渉で円高リスク 企業の業績見通しにも注目

東京・八重洲にある株価ボード=15日午後、東京都中央区(佐藤徳昭撮影)
東京・八重洲にある株価ボード=15日午後、東京都中央区(佐藤徳昭撮影)【拡大】

 皇位継承に伴う4月27日からの10連休に向け、国内外の投資家が身構え始めた。海外市場は通常通り営業するのに対し、長期休場となる日本市場だけは取り残される。海外で市場にショックが起きれば、連休明けの日本株も急落しかねない。日本中に祝賀ムードが広がる中、金融市場には緊張感が張り詰めている。

 15日の日経平均株価は3営業日連続で上昇し、4カ月ぶりの高値。足元では楽観論が広がっている。それでも投資家の間では、10連休に向けた警戒感が強い。理由は東京株式市場が異例の長期間の休場となる上、その前後に相場を動かす重要日程が相次ぐためだ。

 為替をみている投資家の間では、15日からの日米通商交渉への関心が高い。米国が日本に対し「為替条項」を要求するなど強硬姿勢を示してくれば、円高に振れやすく、日本株にはマイナスとなる。

 10連休の最中も気は抜けない。4月30日には、中国の景況感を示す指数が発表される。米国では5月1日に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が、3日に4月の雇用統計が公表される。

 大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「ヘッジファンドのような短期の資金で運用する投資家は来週以降、日本株をいったん手放し、外国株や債券など別の資産に資金を移す動きを強める可能性がある」と指摘する。

 連休明けの5月10日には、平成31年3月期の企業決算発表がピークを迎える。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「令和2(2020)年3月期の企業業績見通しや4月分の米中の経済指標の内容によって株価も上下に振れやすい」と話している。(米沢文)