米連邦準備制度理事会(FRB)は10日、年内利上げ回数ゼロとの見通しを示した3月19、20日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表した。大半の会合参加者が「経済の先行きリスクを考えれば、年内は政策金利を据え置くのが適切だ」と主張した。
数人が「政策金利は(上下の)どちらにも動く可能性がある」と指摘し、景気が悪化すれば、利下げもあり得るとの見方を示した。
この会合では、主要政策金利を年2・25~2・50%に据え置くことを決めた。年内利上げ見送りが適切な理由として、物価上昇圧力が弱いことに加え、欧州や中国などの経済減速が米国に波及する恐れがあることを挙げた。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱や、中国などとの貿易交渉もリスク要因とした。
ただ数人の参加者は「景気が持ち直せば、年内の利上げが適切だ」と訴えた。減速傾向の米景気が上向いた場合には、利上げの是非をめぐり議論が激しくなりそうだ。(共同)