米中両政府は先週末、ワシントンでの閣僚級の貿易協議を終えたが、大きな進展はなく、協議は長期化の様相を呈してきた。週明けも電話で協議を続ける。最終決着の場となるトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談実現への道筋が付けられるかどうかが焦点となる。
米中両政府は3月末から北京とワシントンで2週連続の直接交渉を開催し、合意文書の策定に向け詰めの作業を進めたが、3~5日の協議では、発動した追加関税の撤廃時期や合意内容順守の枠組みなどで溝を埋めることができなかった。
4日に中国側の交渉役である劉鶴副首相を前に「あと4週間程度で合意できるか分かるだろう」と発言したトランプ氏は5日、貿易協議が合意に達するかどうか「予断は持たない」と強調した。トランプ政権の経済政策を担当するクドロー国家経済会議委員長は5日の米テレビのインタビューで、交渉の「期限は存在せず、首脳会談の日程も決まっていない」と指摘。協議が順調に続けば今月下旬にも米中首脳会談が開かれるとみられてきたが、ロイター通信は決着が5月や6月にずれ込む可能性もあると指摘している。(ワシントン 共同)