海外情勢

米中対立、本質理解しない中国 東京財団政策研究所・柯隆主席研究員に聞く (1/2ページ)

 米国と中国の両政府が北京で28日に再開する貿易摩擦解消を目指す閣僚級協議の見通しなどについて、東京財団政策研究所の柯隆(かりゅう)主席研究員に聞いた。

 米中貿易協議の進展について詳細は発表されていないが、3月中の開催が見込まれていた首脳会談がいまだに行われていないなど、周辺状況を見ると交渉は難航しているようだ。

 難航しているのは、中国側が「古い方針」で交渉しているためだと思われる。中国は米国産の農産品やエネルギーの輸入拡大によって米側の理解を得ようとしてきたが、こういった方針は現在の米中対立の本質をいまだに理解できていないと言わざるを得ない。確かに貿易不均衡は問題にはなっているが、トランプ米政権が重視しているのは知的財産権の保護や国有企業への不透明な補助金といった構造的な問題だ。

 また貿易協議に関して、中国側は時間稼ぎをしているように見える。そうすれば次第にトランプ大統領の支持率が下がると考えているのかもしれないが、トランプ氏は元々の支持層が強固なので思ったほど支持率が落ちていない。トランプ氏の再選の可能性も低くはなく、米中対立は長期化することになる。

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