海外の付加価値税 ハンガリー27%、デンマークは25%


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 日本の消費税に当たる海外主要国の付加価値税の税率と比べると、日本の現行の消費税率8%は低水準だ。財務省によると、経済協力開発機構(OECD)、欧州連合(EU)加盟国や東南アジア主要国に中国、台湾を加えた50カ国・地域のうち、昨年1月時点で最も高いのはハンガリーの27%、最低はカナダ、台湾の5%となっている。

 50カ国・地域中、日本より高いのは43カ国で税率は10~27%。最も高いハンガリーに次ぐ水準は、デンマーク、スウェーデン、クロアチア、ノルウェー計4カ国で各25%だ。日本より低いのはカナダ、台湾のほか、マレーシア(6%)、タイ、シンガポール(各7%)、スイス(7.7%)の計6カ国・地域となっている。

 海外では増減税が繰り返されてきたのも特徴だ。昨年1月時点で20%のフランスは1968年の導入時も20%だったが、69年に23.46%へ増税後、70年に23%へ引き下げ。その後増減税を繰り返し、2014年に19.6%から再び20%へ引き上げた。昨年1月時点で19%のドイツは1968年に10%で導入後、7回増税している。

 海外で高い税率の導入や複数回の増税が受け入れられてきたことについて、みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「海外ではデフレに陥った日本より物価が上昇している。(モノの値上がりに慣れており)痛税感が日本より低いのも理由の一つではないか」と分析する。