対中貿易協議「恐らく合意する」 トランプ氏、交渉停滞を否定

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は22日、米FOXビジネス系テレビ番組で、貿易協議で中国と「恐らく合意する」と述べ、交渉が停滞しているとの見方を否定した。合意に至れば「人々が思うより(経済に)大きな好影響が出る」と語り、交渉妥結に意欲をみせた。

 トランプ氏は20日、対中関税を「相当長い間、維持する」と言及。中国が関税撤廃を求めているとされ、米中合意が困難になったとの観測が浮上していた。

 トランプ氏は番組で「500億ドル相当の輸入品への関税は必要だ」と対中制裁を据え置く意向を強調したものの、「合意に至るということではないが、妥結は非常に近い」と話した。

 一方、米政権は、欧州連合(EU)や日本に対する貿易交渉のカードにする狙いで、輸入車への関税発動の是非を検討している。

 これに関連し、トランプ氏は、EUに加盟するドイツとの自動車貿易の不均衡に不満を表明。「(自動車輸出入の)バランスシート(の不均衡)が安全保障上のリスクを呈している」と述べ、自動車関税を発動する法律上の前提条件である「安保上の脅威」が存在するとの認識を示した。海外メーカーに対しては「米国人に車を売りたいのなら米国で製造しろ」と述べた。