米政権が、鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す輸入制限措置を導入して1年。経済産業省が集計した日本製品の輸入制限の適用除外状況(2月22日時点)によると、鉄鋼は米国の需要家が9400件超を申請したものの、除外認可を受けたのは4割に相当する約3900件にとどまっている。却下されたのは約2千件。米商務省はいまだ申請全体の4割にあたる約3600件について判断を下していない。適用除外は今後も増える見通しだが、認可は遅々として進んでいないのが現状だ。
ただ、数量ベースでみると、日本製の鉄鋼の適用除外は約134万トンで、平成29年の対米輸出実績の約8割に相当する。米商務省は全体で約430万トンを適用除外にしているが、国別でみると日本製品の比率は全体の30%超とトップで、2位タイの12%を引き離す。代替品の少ない高機能な日本製品は、他国製品に比べれば適用除外が進んでいることもうかがえる。
一方、日本製アルミニウムの輸入制限からの適用除外申請は226件。うち除外認可を受けたのは、申請全体の8割に相当する179件だった。却下は43件にとどまり、鉄鋼に比べると適用除外が進んでいる。
数量ベースでみると、アルミの適用除外は約6万9千トンで、29年の対米輸出実績(約3万トン)を大きく上回っている。
国別でみると、米国内でのシェアが低いこともあり、適用除外全体に占める日本製品の割合は3%程度。最も適用除外が認められているのは中国製で、全体の25%を占めている。(大柳聡庸)