中国全人代が閉幕 政府報告に反対「ゼロ」 6~6・5%成長目標

中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席(中央左)ら=15日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席(中央左)ら=15日、北京の人民大会堂(共同)【拡大】

 【北京=西見由章】中国の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議は15日、北京の人民大会堂で最後の全体会議が開かれ、2019年の国内総生産(GDP)成長率目標を実質で「6・0~6・5%」に設定した政府活動報告などを承認、閉幕した。

 米中貿易摩擦などの影響を受け、中国の18年の経済成長率は28年ぶりの低水準となる6・6%増。19年の成長率目標は前年の「6・5%前後」からやや下がり2年ぶりに引き下げられた。活動報告の採決では出席者2948人のうち反対票はゼロ、棄権3票だった。昨年は反対が3票、棄権も3票あった。

 前年実績比7・5%増の1兆1898億7600万元(約19兆8千億円)の国防費を盛り込んだ19年予算案も反対・棄権は80票と昨年より3割以上減り、習近平指導部へのより強い支持と団結が演出された形だ。

 一方、全人代前に最高人民法院(最高裁)トップの周強院長が巨額利権の絡む民事訴訟に介入したとして現職裁判官が告発、この裁判官が処罰される混乱が起きた最高法院の活動報告は反対・棄権が223票で昨年より4割以上増えた。

 米国との貿易協議が大詰めを迎える中、トランプ米政権の圧力を踏まえ、外資の技術を中国側に強制移転させることを禁じた「外商投資法」は反対・棄権16票で可決された。全人代の栗戦書常務委員長は「外商投資法は高水準の対外開放を推進する基礎となる法律だ」と述べた。