米景気、10地区で「拡大」 中国の需要減や政府閉鎖に懸念

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)が6日に公表した景況報告(ベージュブック)で、全米12地区のうち10地区の連邦準備銀行が1月下旬~2月の景気について「拡大した」との判断を示した。一方、一部地域の製造業から中国の受注急減が報告されるなど、世界景気の先行きへの懸念も表明された。

 12地区のうちフィラデルフィア地区とセントルイス地区は「景気は横ばい」と判断した。また半数の地区が1月下旬まで続いた連邦政府の一部閉鎖で小売りや自動車販売、観光などに悪影響が出たと指摘した。

 景況報告では製造業の企業の多くが世界的な需要鈍化や、追加関税の影響に懸念を示していることも分かった。「ある半導体メーカーでは中国からの新規受注が40%減った」(ボストン地区)などの報告もあった。

 さらに商品調達で中国からの輸入に依存する小売業者からは「米中の協議が合意に達しなければ悪影響が懸念される」(サンフランシスコ地区)との声も聞かれた。

 景況報告は今月19、20日の連邦公開市場委員会(FOMC)の討議資料になる。