香港の貿易促進を目的とする政府系機関「香港貿易発展局」の羅康瑞(ビンセント・ロー)会長はこのほど日本メディアのインタビューに応じ、「日本が香港と協力してさらに競争力を高めることができれば、両者にとって大きな利益になる」と述べ、日本企業との協力強化に意欲を示した。中国本土や東南アジア諸国連合(ASEAN)などの市場で、日本と香港の企業が協力することによる相乗効果を強調した。
対米摩擦の影響想定
羅氏は、1日に東京都内で行われた日本と香港の経済関係について話し合うシンポジウム「シンクグローバル、シンク香港」に出席した。
羅氏は、安倍晋三首相が10月下旬に中国を公式訪問し、習近平国家主席や李克強首相らと会談したことについて、「香港と日本は長い歴史の中で友好関係を築いてきたが、新しい日中関係が展開される中でより広い分野で相互の利益のために協力できる」と期待した。
米中間で激化している貿易摩擦については、「非常に時間がかかる長い問題で、すぐに解決できるとは思っていない」と分析。香港に与える影響については、「来年には香港の経済成長に影響が出ると想定している」との見方を示した。一方で、今回の米中貿易摩擦を契機として、「香港と日本の企業が協力関係を強め、新しい市場を模索するという意味ではチャンスと捉えている」と述べた。