日本の人手不足、韓国の若者で補う? 経団連の仰天プランに潜む“落とし穴” (1/3ページ)

韓国・釜山で開かれた就職説明会に参加した若者たち=今年4月(聯合=共同)
韓国・釜山で開かれた就職説明会に参加した若者たち=今年4月(聯合=共同)【拡大】

 経団連が来春、韓国・ソウルで、現地の大学生を対象にした日本企業の就職セミナーを開くことになった。就職内定率が97%に達し、複数の企業から内定をもらう学生が当たり前の「超売り手市場」という日本の人手不足対策の側面もある。だが、実際には、韓国の若年層の高い失業問題を韓国経済界が“解決”できず、経団連に泣きついてきたのが実情のようだ。うまくいくのだろうか…。

 「日本は人手不足となっている。この雇用の問題で協力できないか」

 このほど、東京で開かれた経団連と韓国の経済団体「全国経済人連合会(全経連)」との会合。全経連の許昌秀(ホ・チェンス)会長はこう呼びかけた。

 許氏は、経団連の榊原定征会長ら日本の大企業のトップに対し、「日韓の協力をより進化させ、ウイン・ウインの関係を作っていきたい」とあいさつ。同時に強調したのが、韓国経済の先行き不透明感で、その象徴として示したのが、「韓国では若者の失業問題が深刻になっている」ことだった。

 つまり、日本企業に韓国の若者の雇用を引き受けてほしいと求めたのだ。

 これに対し、日本側からは、日本企業が実施するインターンシップなどに、韓国の大学生が参加している事例も示された。

 日本企業が韓国の大学生を採用することで、日本の人手不足解消につながり、韓国の就職難の解決が進むとして、日本企業が韓国の大学生を採用する就職セミナーのアイデアに進んでいった。来春には、ソウルで、日本企業による韓国の大学生を対象にした就職説明会が開かれる予定だ。

 日本企業に就職して、日本で働くケースだけでなく、現時点では中途採用が大半となっている日本企業の韓国支社や韓国法人などで、韓国人の新卒採用を増やす考えだ。また、中には総合商社などで、韓国子会社が新卒学生を雇用し、日韓とは別の第三国の駐在員にする案も出ている。

“日本語の壁”を問題視しない成功事例も