文部科学省の前川喜平前事務次官が12日、岡山市で講演し、新設計画を認める答申が出された学校法人「加計学園」の獣医学部について「国民の疑念が晴れないうちに設置認可するべきではない」と述べ、一連の選考過程を批判した。
学園が活用した政府の国家戦略特区制度の目的に合致するかどうかや、政府が特区での獣医学部新設に際して設けた4条件を満たしているかに関して「明らかになっている具体的な計画に基づいて、もう一度判断したら良い」とし、改めて特区諮問会議を開いての検証が必要だと訴えた。
講演に先立ち記者団の取材にも応じ、獣医学部を認める前提でプロセスが進められたと考えざるを得ないと主張。「国民のための行政が私物化された疑いがあることが最大の問題だ」と述べた。
文科省の大学設置・学校法人審議会は9日付で、獣医学部を愛媛県今治市に新設する学園の計画を「可」と答申している。