グーグル、自動運転の「ロボットタクシー」を公道で実験開始へ

 米IT大手グーグルの自動運転部門「ウェイモ」は7日、自動運転車による配車サービスに乗り出す方針を明らかにした。アリゾナ州内の公道で来年前半に実証実験を開始する見通しだ。将来的に利用者以外は誰も乗車しない「ロボットタクシー」を走らせ、サービスを商業化するという。

 同日、ポルトガルで開かれたイベントで、クラフチック最高経営責任者(CEO)が表明した。

 ウェイモは約8年かけて自動運転車を開発し、ハンドルやブレーキなどの操作がいらない完全自動運転車を公道で走行させる実験を今年から始めていた。従来の公道での自動運転車は不測の事態に備え、運転席に人間が乗車したが、今回の配車サービスの実験では、運転手も乗せない世界初の試みになるという。

 利用者は携帯電話のアプリで配車し、指定場所まで乗車する。サービス開始当初はウェイモの担当者が後部座席で運用状況を確認。いずれ利用者だけが乗車する形とする。ただ、車には強制停車させるボタンを備えるという。クラフチック氏は「一般の人が利用できる商業サービスに向けて取り組んでいる」と語った。

 ウェイモは、安定した気象条件で自動運転に関する規制がないアリゾナ州を中心に実験を進め、これまでに実験地域を6州に広げた。自動車大手では米ゼネラル・モーターズもベンチャー企業を買収し、自動運転タクシーの実験に乗り出す意向を示している。(ワシントン 塩原永久)