TPP大筋合意なら米国どう出る? トランプ氏は「TPPを終わらせた。誇りに思っている」 (1/2ページ)

米軍横田基地に到着し、在日米軍兵士らを激励するトランプ米大統領=5日午前、東京・米軍横田基地(松本健吾撮影)
米軍横田基地に到着し、在日米軍兵士らを激励するトランプ米大統領=5日午前、東京・米軍横田基地(松本健吾撮影)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領のアジア歴訪中の8日、ベトナムで環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加国の首脳・閣僚会合が開かれるが、トランプ政権内にTPP再加入を検討する兆しはうかがえない。通商政策に関して、米政権は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や、韓国とのFTA再交渉を最優先としているためだ。

 「TPPを終わらせた。やがて皆さんが感謝してくれる。誇りに思っている」

 先月下旬、トランプ大統領は米テレビのインタビューでこう話し、これまで何度も「最悪の協定」と批判してきたNAFTAと並べて、TPPを攻撃した。

 トランプ氏は、過去の政権下で結ばれた通商協定により「米国民の雇用が奪われた」と述べ、メキシコ、カナダと結ぶNAFTAを見直す再交渉を開始した。

 特に多国間協定に背を向ける姿勢は変わらない。最近では世界貿易機関(WTO)が「米国以外の国のために設立された」(トランプ氏)などと述べ、WTOにも矛先を向けている。

強硬姿勢には、国内の産業団体から懸念も