初来日したトランプ米大統領(左)を出迎え、握手する安倍首相=5日午後、埼玉県川越市の霞ケ関カンツリー倶楽部(ロイター=共同)【拡大】
トランプ米大統領が5日、来日した。安倍晋三首相は6日午後に迎賓館(東京・元赤坂)で首脳会談に臨む。日本、韓国、中国との首脳会談では、米国が3カ国に対して抱える貿易赤字の削減も議題となる。トランプ氏は赤字が減れば米国の製造業が復活し、雇用も増えるとみており、会談に強硬姿勢で臨む可能性がある。
米国が2016年にモノの貿易で出した赤字は日本との間で702億ドル(約8兆円)、韓国が277億ドル、中国が3473億ドル。トランプ氏は「米国は貿易で食い物にされている」とし、赤字を減らすことが「米国の繁栄を取り戻す」ことにつながると信じている。
6日の日米首脳会談では、トランプ氏が安倍首相に直接、自由貿易協定(FTA)交渉を求めるかが焦点。米国が閉鎖的だと不満を示す自動車や農産物市場の開放を迫る展開もあり得る。
7日にはソウルで韓国の文在寅大統領と会談する。米韓両政府は10月、FTAの内容を再交渉によって見直すことに事実上、合意した。会談では再交渉の開始時期などがテーマになりそうだ。
次に訪問する中国の不公正な貿易に、トランプ氏はいら立ちを強めている。1日にホワイトハウスで開いた閣議で「中国に対する赤字は巨額でひどい。金額を言うのも恥ずかしい」と述べた。習近平国家主席との会談で不公正貿易の根絶や知的財産の保護強化を強く求めるのは確実だ。(共同)