政府が、2018年度の税制改正に向け、法人税の実効税率の引き下げを検討していることが26日、分かった。現在29.97%の実効税率を段階的に最大3%程度引き下げ、27%台前半に下げる案などがある。高収益な企業ほど税負担を軽くする仕組みを強化して、企業の「稼ぐ力」を高めて賃上げや設備投資の拡大につなげる狙いがある。
来月下旬に本格化する与党の税制調査会の18年度税制改正の議論を前に、政府が経団連など関係団体との調整を始めた。12月上旬に与党がまとめる税制改正大綱に、減税の方向性が盛り込まれる可能性もある。
安倍晋三政権は、法人税減税を経済政策「アベノミクス」の成長戦略の柱に据えて、改革に取り組んできた。法人税の実効税率は14年度の34.62%から16年度に29.97%へ下がり、18年度には29.74%になることが決まっている。
ただ、法人税は国際的に高い水準にある米国が大幅な減税を目指すほか、フランスでも税率引き下げの動きがあるなど減税競争が激しくなっている。このため経団連は日本の法人税改革が道半ばとして、早期にアジア諸国並みの25%程度まで下げるよう要望する。政府・与党内でも、企業の競争力強化につなげる狙いから法人税の一段の減税を求める声が根強くある。