湖南省長沙市にある中国科学院亜熱帯農業生態研究所はこのほど、稲の新種として高さが最高2.25メートルに達する「巨大稲」を公開した。
巨大稲は茎も太く堅強で、一つの穂からは最大800粒収穫できるという。
同研究所研究員の夏新界氏が率いる水稲改良品種グループが10年以上前から研究し、2011年から湖南や広東、海南などで試験栽培を行っていた。
湖南では、長沙農業環境研究ステーションにある約200ムー(1ムーは約6.67アール)の試験場で試験栽培を実施。シーズンごとの生産量が安定的に1ムー当たり900~1100キログラムとなった。
巨大稲から収穫したコメの食感は比較的良好で、農業部食品質量検験測試センターでは「優質稲3級標準」と認定。これまで異なる稲をかけあわせた「ハイブリッドライス」が抱えていた「生産量が多いと品質が悪い、品質が良いと生産量が少ない」という課題を克服した。
夏氏は「巨大稲は優良な稲をベースに遠縁の品種をかけあわせるなどの品種改良技術を活用したもので、遺伝子組み換えによるものではない」と話す。
同研究所の●金水所長によると、「巨大稲が持つ稲の高さや水に漬かる深さといった特殊性は、カエルやドジョウなど水田に住む生物にもよりよい生息環境を与えている」という。(中国新聞社)
●=俣のつくり