安倍晋三首相は衆院選の与党勝利を受け、緊迫化する北朝鮮情勢に対処するため、首脳外交を本格化させる。11月5~7日にトランプ米大統領が初来日し、日米同盟の絆を確認する方針。11月中旬にはベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)などに出席し、多国間協議や、2国間の首脳会談を積極的にこなし、北朝鮮の核・ミサイル全面放棄に向けて包囲網を狭める考えだ。
トランプ氏は5日午前に日本に到着する見通し。首相と昼食や夕食をともにするほか、拉致被害者家族らと面会する意向を示している。さらに、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」への搭乗や、首相とゴルフの「リベンジマッチ」も予定される。
首相は10日からAPEC首脳会議出席のためベトナムを訪問し、13日からフィリピンで開催される東アジア首脳会議(EAS)を含む東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合にも出席する。ここでも日米両首脳はタッグを組み、北朝鮮への圧力強化に向け、関係各国に改めて連携を求めることになる。一方、首相は日中韓首脳会議を12月に実現させる構え。この前後に河野太郎外相は中国を訪問し、北朝鮮対応で中国に協調を呼びかける考えだ。小野寺五典防衛相は10月23日にフィリピンで開かれる拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)に出席。2国間協議も積極的に行い、北朝鮮情勢などで意見交換する。