経常黒字、20.8%増2.38兆円 8月最大 輸出好調、訪日客支出寄与

 財務省が10日発表した8月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比20.8%増の2兆3804億円だった。2カ月連続で前年を上回り、8月としては過去最大を記録した。輸出が好調だったほか、訪日外国人が使うお金が増え、比較可能な1996年以降でサービス収支が8月として初めて黒字になったことが貢献した。

 経常収支の黒字は38カ月連続。このうち貿易収支の黒字額は46.2%増の3187億円だった。輸入が15.1%増の5兆8470億円に膨らんだものの、自動車関連や電子部品が好調で輸出は16.3%増の6兆1656億円と伸びが大きく、貿易収支の改善に寄与した。

 サービス収支は202億円の黒字(前年同月は506億円の赤字)。内訳では、訪日外国人旅行者数の増加を背景に、旅行者のお金の出入りを示す旅行収支が927億円の黒字と堅調だった。知的財産権の使用料収入も伸びた。海外投資からの収益動向を示す第1次所得収支の黒字額も13.0%増の2兆2385億円に拡大し、8月として最大。企業が海外の子会社などから得る配当金や債券利子の受け取りが増えた。