ラスベガス乱射 カジノ産業に集客4290万人

 ラスベガスでの銃乱射事件は、観光が支えるネバダ州南部の経済圏に暗い影を落としそうだ。雇用の4割超を観光業が支えているとされる同地域で、事件の影響により観光客が減少する恐れもある。

 ラスベガス会議・観光局によると、ネバダ州南部で昨年、観光業によって生み出された雇用は約40万7000人で、全労働力の約44%に相当するという。カジノやショーなどの人気で、年間観光客数は4290万人と、2009年から増加傾向が続いている。

 巨大なホテルを会場として、大型の国際会議や展示会が頻繁に開かれ、会議などの関連で昨年は過去最高の630万人が訪れた。

 一方、株式市場では事件後、銃器メーカーの株価が上昇した。銃撃事件のたびに浮上する「銃規制の議論」を念頭に、規制強化前に購買を急ぐ消費者心理から、軍用モデルをベースとした高性能ライフル銃などのメーカー各社の売り上げが一時的に伸びるとの投資判断による。

 スミス&ウェッソンの持ち株会社やスターム・ルガー社の株価は2日、一時3~5%の上昇を記録した。

 米CNBCによると、16年の米フロリダ州オーランドでの事件など、深刻な銃乱射事件の後は、「自分の身は自分で守る」という根強い考え方を背景に、2~3カ月にわたり銃器の売り上げが伸びるという。(ワシントン 塩原永久)