小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」のメンバーは27日、都内のホテルで設立の記者会見を開き、消費税増税の凍結を訴えた。小池氏は「原発ゼロ」も打ち出し、原発を推進する自民党との対立軸が鮮明になった。
同日公表の党綱領に掲げた経済政策は「税金の有効活用」「民間のイノベーションの最大活用」。今後、アベノミクスの対案となり得る具体的な構想を提示できるかどうかが有権者から問われることになる。
これまで安倍晋三首相は消費税率10%への増税を2度延期した。2019年10月の実施にも先送り観測が強まる中で、増税分を財源にした教育無償化を首相自ら提唱。26日のテレビ番組では、「リーマン・ショック級の事態が起こらない限り基本的に引き上げていく」と言及した。民進党が唱える消費税収の教育財源化も増税実施が前提となる。
これに対して小池氏は、景気回復に実感が伴っていないとアベノミクスの効果に疑問を呈し、増税凍結を公言した。
一方、原発再稼働をめぐっては、小池氏は「30年の(原発)ゼロに向けて工程表を作る」とし、25日には脱原発を説く小泉純一郎元首相と面会するなど、脱原発を求める世論の受け皿作りを狙う。
民進党も原発ゼロを目指すものの、実現時期は「30年代」とやや遅めだ。自民党は原発を重要な電源と位置付けて一定程度活用する方針を明確にしている。