【ビジネスアイコラム】習氏1強時代、中国経済の行方 短期的な好況はいつまで続くのか (1/2ページ)

 ■短期的好況いつまで 党大会に注目

 中国経済はどこへ向かうのか。習近平政権の2期目が発足する第19回共産党大会を10月18日に控え、やはり大会で示される中長期的な政権の大方針が気にかかる。

 このところ中国が発信する指標や企業業績は決して悪くない。原油価格の持ち直しを受け、中国石油化工(シノペック)など国有石油3社の業績は1~6月期に大幅な業績回復をみた。

 石炭、鉄鋼、非鉄なども1年前には想像できなかった好況ぶり。堅調なインフラ投資を追い風に国有4大銀行の不良債権比率まで下がってきた。これなら結構ずくめではないか。

 ヨイショはここまで。多少、中国経済に通じた方なら、この短期的な好況がいつまで続くのかには懐疑的なはずだ。

 例えば、粗鋼生産量の伸びは構造上の課題である供給過剰を先延ばしした結果だ。内需が鈍って、また安値輸出に走れば、折から険悪化する米国との貿易摩擦に拍車をかける。そもそも、中国政府が意図的に進めた景気の下支えが党大会を過ぎて続くのかも怪しい。

 というわけで、景気や経済動向を見る上でも10月の党大会は注目を要する。

 この時期の中国報道は政治局常務委員の布陣など政局ネタに偏るのだが、見慣れない中国高官の名前や人脈の推移に振り回されると本筋が見えなくなる。大会までまだ1カ月。ここは木よりも森を見ないと。

習氏の権力集中、さらに進む