中国国防省は6日、ある軍事演習を前日に実施していたことを公表した。
渤海湾付近でミサイル演習を行ったというのだ。
「特定の国家を想定して実施したものではない」
そうわざわざ断ってはいるが、渤海湾から目と鼻の先にあるのが朝鮮半島。有事に備えた演習、あるいは北朝鮮の度重なる挑発に対する軍事的警告か。さまざまな臆測が飛び交った。
人民解放軍内の北朝鮮への憤りが伝わってくる-。
5日午後、中国福建省アモイの国際会議センター。習近平国家主席は、閉幕したばかりの新興5カ国(BRICS)首脳会議の成果について「明るい未来を切り開いた」と総括したが、表情はさえなかった。
最大の政治イベント、共産党大会を10月に控える習氏にとって、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相らを招いてのBRICSは「大国外交」の成果を誇示する“晴れ舞台”となるはずだった。
しかし習氏が3日、会議の開幕を宣言する約4時間前に、北朝鮮が6回目の核実験を強行した。世界中のメディアの関心をBRICSから奪っただけではなく、習氏の「対北外交の失敗」を内外に強く印象づける形となった。
習氏が北朝鮮にメンツをつぶされたのは、この1年間で3度目となる。
昨年9月5日、杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議の最終日に、北朝鮮は3発の弾道ミサイルを発射した。
今年5月14日には、習氏自らが掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を宣伝する国際会議の開幕式に合わせるかのように、北朝鮮は再び弾道ミサイルを発射した。
「北朝鮮は習政権が大きなイベントを行うたびに挑発行為をしてきた。金正恩・朝鮮労働党委員長の本当の狙いは、中国に圧力をかけることではないか」といった見方が、中国の外交当局者の間で浮上している。