ロシアのプーチン大統領(右)と握手する安倍首相=7日、ウラジオストク(共同)【拡大】
日露両政府は7日、日本企業がロシア国内で得た投資利益に対する課税率を引き下げる新たな租税条約に署名した。ロシア企業が日本で得た投資利益にも適用され、年内の発効を目指す。日本企業のロシアへの投資促進につなげる。
現行では、日本企業は株式配当の15%を上限にロシアに納める必要がある。新たな租税条約では、親会社が子会社から得る配当利益について、課税上限を5%に引き下げ、資本関係のない企業などが得る利益では10%とする。
また現在、日本の金融機関がロシア企業から得る利子や、日本企業がロシア企業から得る特許や商標の使用料などには上限を10%とする税率がかかっているが、新租税条約では免除する。
日本は1986年に旧ソ連と租税条約を締結。旧ソ連崩壊後はロシアに引き継がれたものの、これまで一度も見直されることはなかった。このため、日本が欧米諸国と結ぶ租税条約に比べて税率が高く、日本企業のロシア進出の妨げとなっているとの指摘もあった。
財務省は「両国間の投資・経済交流をいっそう促進することが期待される」としている。