インド映画の国外での観客動員が好調だ。会計・コンサル大手KPMGによると、2016年のインド映画の国外興行収入は110億ルピー(約187億2200万円)となり、12年の76億ルピーから約1.5倍に増加した。近年、国外で上映されヒットする作品が増えているほか、中国市場での人気が高まっているのが要因とみられている。現地紙タイムズ・オブ・インディアが報じた。
1980年代から90年代にかけ、国外におけるインド映画は不遇の時代が続いていた。しかし、2000年代に入るとアーミル・カーン主演の「ラガーン」(01年)や、シャー・ルク・カーン主演のロマンス作品「さよならは言わないで」(06年)など、米国や英国、カナダなどで興行的な成功を収める作品が登場するようになった。
10年代に入っても米国を舞台にしたシャー・ルク・カーン主演のドラマ作品「マイ・ネーム・イズ・ハーン」(10年)がヒットしたのをはじめ、着実に国外での評価と知名度が高まっている。KPMGがまとめたインド映画の国外興行収入の歴代トップ10では、9作品が10年以降に公開された作品だった。
さらに、今年はアーミル・カーン主演のスポーツドラマ作品「Dangal」が中国で爆発的にヒットし、中国での単独興行収入だけで昨年の全作品の国外興行収入を上回る150億ルピーを記録した。