【ワシントン=小雲規生】米通商代表部(USTR)は18日、通商法301条に基づき、中国による知的財産侵害の実態に関する調査を始めたと発表した。トランプ大統領が14日にUSTRに調査を命じる覚書に署名していた。USTRは10月10日に公聴会を開き、産業界の関係者らから中国での規制や企業活動の現状について意見を聞く。
USTRのライトハイザー代表は声明で、覚書の署名後に外部の関係者や関連省庁と協議を重ねたことを明らかにし、「徹底した調査が必要だと判断した」と述べた。
米国の産業界は中国のサイバー攻撃などによる知的財産の侵害や、中国が中国進出企業に技術移転を強要していることなどへの不満を強めている。
トランプ政権は中国が不正を改めない場合は、関税引き上げなどの厳しい対抗措置をとる構えだ。ただし一方的な対抗措置は世界貿易機関(WTO)のルールに違反するとみなされる可能性もあり、USTRは慎重に調査を進めるとみられる。