監査法人の「強制交代制」検討 金融庁、東芝不正会計問題を教訓に (1/3ページ)

東芝本社ビル=東京都港区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)
東芝本社ビル=東京都港区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)【拡大】

 金融庁が、監査法人について特定企業を長く担当しないよう一定期間で交代させる強制ローテーション制度(交代制)の導入について検討を続けている。背景には監査法人内で担当の公認会計士の交代を義務付けた現行のパートナーローテーション制度が東芝の不正会計を防げなかった反省や、欧州連合(EU)などが導入に踏み切ったことがある。ただ、監査法人や企業には否定的な意見も根強く実現のハードルは高い。

 10年でわずか5社

 「東芝の事案でパートナーローテーションは『新たな視点での会計監査』という観点からは十分に効果を発揮しなかった」

 金融庁は7月20日に公表した第1次調査報告でこう結論付けた。

 パートナーローテーションは、パートナー(業務執行社員)と呼ばれる監査に責任を持つ会計士が特定の企業を担当できる期間に上限を設ける制度。1998年に日本公認会計士協会が自主規制として導入。2003年と07年の公認会計士法改正を経て、大手監査法人の筆頭パートナーは5年で担当企業を交代することなどが定められた。

 金融庁は今回の報告書で東芝がパソコン事業やインフラ、半導体などの事業で長年にわたり必要な損失を先送りするなどして利益を不正計上した問題について分析した。新日本監査法人は東芝を約47年担当。パートナーローテーションを実施していたが、「監査チームのメンバーが同社を担当した者が中心」となり、その結果、「東芝のガバナンスへの過信が生じ、批判的な観点から検証手続きが十分に行われないことが多く(なった)」と指摘した。

交代制を導入したEUでは「混乱は見られていない」

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