トランプ米大統領は14日、中国による不公正な貿易行為の是正に向け、通商法301条に基づく調査を通商代表部(USTR)に指示する大統領令に署名する。中国企業による知的財産権の侵害を対象とし、制裁措置の発動も視野に入れる。ホワイトハウス高官が12日の電話会見で明らかにした。
米CNNテレビによると、トランプ氏は中国の習近平国家主席との電話会談で、中国との貿易に関する調査の準備を進めていると通告した。調査開始は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に中国も厳しい態度で臨むよう、通商面から圧力を強める狙いがある。中国の反発は避けられず、米中間の貿易摩擦がさらに激しくなりそうだ。
USTRが米国の知的財産権を侵害している可能性がある中国の法制度や商慣行を調べ「クロ」と判定すれば中国と協議し、解決しない場合は報復措置を取る。米国企業が中国で現地企業と合弁事業を行う条件として技術移転を強要されるケースも詳しく調査する。まずは通商法の規定に従い、301条適用につながる予備的な調査から着手する。