【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は10日、滞在先の東部ニュージャージー州で記者団の取材に応じ、北朝鮮が米領グアム沖に弾道ミサイルの発射を検討中と表明した問題で、「グアムで何かやれば、世界が今まで見たこともないようなことが北朝鮮で起きるだろう」と述べ、軍事攻撃による報復を強く示唆した。
トランプ氏は「(これは単なる)挑発ではない。声明であり事実だ」と言明。「金正恩(朝鮮労働党委員長)はわが国を著しくおとしめ、恐るべき発言を繰り返してきたが、今や状況は変わった」と語り、北朝鮮の行動に厳然と対処する姿勢を強調した。
北朝鮮に対する先制攻撃の可能性についても「今に分かる」と述べ、実行の可能性に含みを持たせた。
トランプ氏はまた、同日行われた別の記者会見でも、「北朝鮮は炎と怒りに見舞われる」とした8日の発言を受けて北朝鮮がグアム周辺へのミサイル攻撃を警告したことについて「(発言には)まだ厳しさが足りなかったかもしれない」と正当化した。