農林水産省は9日、2016年度のカロリーベースの食料自給率が15年度に比べて1ポイント低下の38%だったと発表した。過去2番目の低さで、記録的冷夏によるコメの不作で37%だった1993年度以来、23年ぶりの低水準。小麦や砂糖原料のテンサイの生産が北海道の台風被害といった天候不順で減少したことが響いた。前年度を下回ったのは6年ぶり。
食料自給率は、国内で消費される食料を国産でどの程度賄えるかを示す数値。政府は自給率を25年度にカロリーベースで45%にする目標を立てているが、達成は遠のいた。
生産額ベースの自給率は68%と15年度から2ポイント上昇し、2年連続で前年度を上回った。野菜や果実の輸入額が減り、トマトやミカンなどの国内の生産額が増えた。オーストラリアの干魃(かんばつ)の影響で牛肉輸入額が減った。