まさに盆暮れが同時に訪れたかのような政界の1週間だった。安倍晋三政権の支持率の急降下は、国家的な危機であり、ここから脱する方策を講じることが急務である。まずは3日の内閣改造・自民党役員人事は手堅い布陣に徹することである。
稲田朋美氏の防衛大臣起用は、安倍政権の最大の汚点だ。辞任した稲田氏は、保守層の議員や識者から人気の高い政治家であるが、期待に応える努力をどれだけ行い、覚悟を持って大臣という職にあったのか、疑問である。次の内閣改造で、第2次安倍政権以降、6回目の「組閣」となり、「玉不足」の感は拭えないが、人を見抜く力が鈍らないよう、努めてもらいたい。
特に、安倍政権の最重要政策の一つである、北朝鮮による拉致問題の担当閣僚は、これまで拉致問題解決のために尽力してきた政治家を充てるべきだ。自民党と共同歩調をとる「日本のこころ」の中山恭子代表の入閣などを本気で考えるべきではないか。安倍首相の信任厚い、加藤勝信内閣府特命担当大臣は、現在6つの担当分野を抱える。それをやりこなす能力を持ち合わせているのかもしれないが、加藤大臣が担当する働き方改革や女性活躍政策、キッズウイークなどをみる限り、どれだけ真剣に取り組まれたのか疑問だ。このような不信感は払拭すべきであり、それができなければ、内閣改造も国民の信頼回復に寄与するものとはならない。