マイク・ポンペオCIA長官【拡大】
【ワシントン=黒瀬悦成】米中央情報局(CIA)のポンペオ長官は26日付の米紙ワシントン・タイムズとのインタビューで、北朝鮮の非核化を外交的手段で実現させることが困難であると判断された場合に備え、トランプ大統領に対して「(北朝鮮に対する)秘密工作や(国防総省の)戦友の支援などの情報作戦を提示する準備を進めている」と明らかにした。
ポンペオ氏が1月に長官に就任後、報道機関の単独会見に応じるのは初めて。
同氏は北朝鮮の核・弾道ミサイル開発に関し、同国が信頼性の高い核戦力部隊を実戦配備し、抑止力を確保したと確信したときが「本当の危険だ」と指摘。その上で「トランプ大統領は、そのような事態を招くことは認めないと極めて明確にしている」と述べ、対抗措置をとることを強く示唆した。
ポンペオ氏は対抗措置の具体的内容について明らかにしなかったが、同氏は20日、コロラド州アスペンで開かれた安全保障関連の会合で、北朝鮮の金(キム)正(ジョン)恩(ウン)朝鮮労働党委員長について「金正恩体制を核システムから切り離すことはできると思う。北朝鮮の人々も彼が去るのを見たいと思う」と述べ、北朝鮮の体制転換に前向きな意向を示唆した。
トランプ政権はこれまで「北朝鮮の体制転換を求めない」(ティラーソン国務長官)と繰り返し表明してきたが、トランプ氏と近い関係にあるポンペオ氏による踏み込んだ発言は、政権が北朝鮮のICBM開発の急速な進展に危機感を深めている表れといえる。