【高論卓説】蓮舫氏だけの問題ではない! 二重国籍問題、根底は国際間の情報共有に穴 (1/3ページ)

「二重国籍」問題について記者会見する民進党の蓮舫代表=18日午後、東京・永田町(桐原正道撮影)
「二重国籍」問題について記者会見する民進党の蓮舫代表=18日午後、東京・永田町(桐原正道撮影)【拡大】

 民進党の蓮舫代表の「二重国籍問題」が大きな話題になっている。これは日本の行政システムとこれまでの国際間の情報共有の穴を利用したものといえ、蓮舫氏だけの問題ではない。また、その根底には「台湾」をめぐる国際関係の問題も存在する。戦後、日本は中華民国(台湾)を正当な政府と認め、中華人民共和国(中国)を国家として認めていなかった。しかし、国際連合や米国の中国戦略の変更などに伴い、1972年9月29日に田中角栄首相は周恩来首相とともに日中共同声明を出し中華人民共和国を正当な政府として認め、中華民国(台湾)と断交した。

 実はこの日中共同声明では、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」とした。これは中国側の立場を理解し尊重しているだけで、中華人民共和国が台湾の統治者であると認めたわけではない。

 しかし、この声明により日本と中華民国(台湾)との正常な政府間関係が失われ、台湾人の法的身分が曖昧になったのも確かな事実だ。その後、日本政府は、行政手続き上、台湾を中華人民共和国ではなく「中国」または「中国台湾省」とし、台湾人を「中国」人として扱うことにした(現在は台湾表記が認められている)。

台湾側の問題も存在する

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