【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで声明を発表し、昨年の大統領選で公約した医療保険制度改革(オバマケア)改廃の実現を議会に求めた。上院共和党指導部は同日、関連法案の審議入りの是非を問う採決を25日に行うと発表したが、可決に必要な賛成票を確保できる見通しは立っていない。
トランプ氏はオバマケアで高騰した保険料を払いきれなくなったり、保険でカバーされる医療機関の変更で必要な医療を受けられなくなったりした患者やその家族をホワイトハウスに招待。声明でオバマケアを廃止して別の制度に置き換える必要性を強調し、「共和党は約束を果たすチャンスがある」と述べた。
一方、共和党のマコネル上院院内総務は25日の投票で審議入りが決まった場合、最終的な法案の全容を固める考え。しかし「どういう内容の法案になるのか分からない」として、審議入りに反対する声もある。
指導部が6月に提案した改廃法案には、オバマケアの徹底した廃止を求める強硬派と、低所得者らへの悪影響を懸念する穏健派の双方が反発。指導部はその後、廃止のみを先行して決める方針を打ち出したが、これまでに可決に必要な賛成は確保できなかった。