衆院予算委員会は24日午前、安倍晋三首相らが出席して閉会中審査を行い、首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の問題に関する集中審議を実施した。首相は「個別の案件について指示を行ったことはない」と明言し、獣医学部新設計画に絡む便宜を図ったことはないと重ねて訴えた。
一方で首相は「『李下(りか)に冠を正さず』という言葉がある。私の友人が関わることだから疑念の目が向けられるのはもっともなことだ。常に国民目線に立ち、丁寧な上にも丁寧に説明を続けたい」と答弁し、世論の批判に真摯(しんし)に対応する姿勢を強調した。「経済の好循環を回していくことによって国民の信頼を回復していく」とも表明した。
東京都議選の街頭演説会でやじを飛ばされた際に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言したことについては、「私を批判する人たちを排除するととられたのであれば、不徳のいたすところだし残念だ」と述べた。
一方、参考人の前川喜平前文部科学事務次官は、昨年9月に和泉洋人首相補佐官から呼び出され「首相は自分の口からは言えないから私が代わって言う」と伝えられたと改めて主張し、この内容を当日中に文科省高等教育局専門教育課に伝えたと明らかにした。これに対し和泉氏は「言っていない」と発言を否定した。