政府は20日、2018年度予算編成で各省庁の要求のルールとなる概算要求基準を閣議了解した。安倍晋三政権が重視する人材投資や地域経済・中小企業の生産性向上につながる施策に重点配分するため、4兆円程度の特別枠を設けた。歳出総額の上限は示しておらず、要求総額は4年連続で100兆円を超える見通しだ。
安倍首相は与党との懇談会で「経済と財政の再生に向けた取り組みをさらに加速させていく」と述べた。財務省は8月末に各省庁からの要求を締め切り、年末に向けて査定を進める。
特別枠は、経済財政運営の指針「骨太方針」や成長戦略などを踏まえた施策を要望できる。財源は、公共事業などの裁量的経費の要求額を17年度当初予算額より10%削減して捻出する。
人材投資のうち、幼児教育・保育の無償化などについては財源が決まっておらず、企業や働く人が保険料を負担する「こども保険」や税などを選択肢として、年末までの予算編成過程で検討を進める。
高齢化に伴う年金や医療など社会保障費の自然増については17年度予算から6300億円の増額要求を認めた。