日銀が3日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は3期連続で改善し、前回3月調査から5ポイント改善のプラス17となった。海外経済の回復や円安を背景に、企業心理が上向き、平成26年3月調査以来の高水準となったが、先行きは慎重姿勢が目立った。
業況判断DIは、景況感が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した割合を差し引いた値。
業種別では、アジアの需要に引っ張られる形で、業務用機械が11ポイント、電機が6ポイント、鉄鋼が16ポイントそれぞれ改善。石油・石炭製品は原油価格の持ち直しを追い風に、19ポイント改善した。
先行きの業況判断DIは、2ポイント悪化のプラス15。原材料価格の高騰や、トランプ米政権の政策運営と英国の欧州連合(EU)離脱問題に伴う海外経済の不透明感から慎重姿勢が目立った。
それでも、多くの企業が設備投資に積極的だ。大企業製造業の29年度設備投資額は前年度比15・4%増を計画しており、3月調査から7・6ポイント改善した。大企業製造業が想定する29年度の為替レートは1ドル=108円31銭だった。